事業計画書

事業計画書テンプレート|項目一覧と記入例で迷わず書ける完全ガイド

「事業計画書のテンプレートをダウンロードしたのに、最初の一行目で手が止まってしまった」——そんな経験はありませんか。テンプレートは”型”を教えてくれますが、“何を書くか”までは教えてくれません。本記事は、300社以上の新規事業支援に携わってきたONE SWORD(ワンソード株式会社)の現場知をもとに、事業計画書テンプレートの必須12項目・項目別の記入例・業種別の書き分けまでを一気通貫で解説します。読み終える頃には、白紙のテンプレートを前にしても迷わず埋められる状態になっているはずです。

事業計画書テンプレートとは

事業計画書テンプレートとは、事業の目的・市場・収益計画などの必須項目をあらかじめ配置した雛形です。

テンプレートを活用する主なメリットは以下の3点です。

  • 項目の抜け漏れ防止: 融資担当者や投資家が確認する標準項目が網羅されています。

  • 作成時間の短縮: 白紙から組み立てるより、初稿到達までの工数を大きく圧縮できます。

  • 標準構成への準拠: 日本政策金融公庫や各種補助金の審査で求められるフォーマットに合わせやすくなります。

一方で、テンプレートは”型”であって”答え”ではありません。項目を並べるだけでは審査側から「どこにでもある計画」と受け取られてしまうため、中身の書き込みに独自性を織り込む工夫が必要になります。


事業計画書テンプレートに必要な12の必須項目

ONE SWORDが300社以上の新規事業支援のなかで標準化した、事業計画書に必ず含めるべき12項目を一覧にしました。

項目

記載内容

目安分量

1

事業概要・エグゼクティブサマリー

何を誰にどう届けるかを3行で要約

約300字

2

創業者・経営者プロフィール

経歴・実績・事業への思い

約400字

3

事業のビジョン・ミッション

10年後の姿と存在意義

約200字

4

解決する課題・提供価値

顧客の痛みと提供価値(Value Proposition)

約400字

5

ターゲット顧客・ペルソナ

セグメントとペルソナ像

約300字

6

市場環境・市場規模(TAM/SAM/SOM)

市場データと自社の取り分

約500字

7

競合分析・競争優位性

3C分析・Five Forces分析の要約

約400字

8

ビジネスモデル・収益構造

誰から何でいくら得るか

約500字

9

マーケティング・販売戦略

集客から受注までの導線

約400字

10

実行体制・組織

担当者・役割・外部パートナー

約300字

11

スケジュール・マイルストーン

1年/3年/5年の時間軸

約300字

12

数値計画・資金計画

売上・利益・必要資金・調達方法

約600字

この12項目がすべて揃うと、A4換算で10〜15ページ程度のボリュームになります。融資・補助金申請であれば10ページ前後(事業再構築補助金では1,500万円以下の申請で10ページ、それ以上で最大15ページと公募要領で規定されています)、社内稟議であれば5〜7ページ、投資家向けピッチは15〜20ページに厚く組むケースが多いかと思います。


項目別の書き方サンプル(新規事業ケース)

ここでは仮の新規事業として「中小製造業が新たに始める、産業機械のサブスクリプション型点検サービス」を題材に、項目1〜12の記入例をBefore/After形式で示します。書き方に迷ったときの参考にしてください(以下は架空の事例として提示するものです)。

項目1:事業概要・エグゼクティブサマリー

  • Before: 「当社は点検サービスを新しく始めます。」

  • After: 「中小製造業向けに、産業機械の予知保全データを用いたサブスクリプション型点検サービスを提供します。従来の”故障してから呼ぶ”保全を”壊れる前に訪問する”保全に置き換え、顧客の設備稼働率を平均**15%**向上させることを目指します。」

項目4:解決する課題・提供価値

  • Before: 「工場の設備故障で困っている会社が多いです。」

  • After: 「中小製造業の工場長は、突発的な設備停止で月平均2〜3日の生産ロスに悩んでいます。当社は振動センサーと遠隔監視により、停止予兆を平均7日前に検知し、計画停止へ振り替えられる状態を提供します。」

項目6:市場環境・市場規模(TAM/SAM/SOM)

  • Before: 「市場は大きいです。」

  • After: 「国内の中小規模の製造業のうち、設備保全を外注に依存する層をSAM=約4万社と推計。当社のサービス対象エリア(関東・東海)ではSOM=約8,000社、初年度シェア1%で80社の獲得を目指します。」

項目8:ビジネスモデル・収益構造

  • Before: 「月額で収益を得ます。」

  • After: 「センサー設置の初期費用(10万円)+月額サブスク(3万円〜)の2階建てで、契約期間3年を標準とします。顧客1社あたり36ヶ月LTV108万円、粗利率**55%**を計画値とします。」

項目12:数値計画・資金計画

  • Before: 「3年で黒字化します。」

  • After: 「初年度売上2,400万円(顧客80社×平均30万円)→3年目売上1.2億円。単年黒字化は2年目、累損解消は3年目後半。必要資金4,000万円(設備2,500万円・運転資金1,500万円)を日本政策金融公庫の新規開業資金で調達予定。」

このように、主語・数字・時間軸を必ず入れ込むことで、同じ項目でも審査側に伝わる精度が大きく変わります。


業種別テンプレートの使い分け

同じ事業計画書テンプレートでも、業種によって重視される項目は異なります。ONE SWORDが実際に各業種の計画書を審査レビューしてきた経験から、特に重視される要素を整理しました。

  • 製造業: 設備投資額・原価計算・BOM(部品構成表)の粒度が問われます。減価償却の計上方針も明示すると信頼度が上がります。

  • サービス業: 人件費と稼働率の関係、サービス提供の再現性(属人化していないこと)が重視されます。

  • IT・SaaS: ユニットエコノミクス(CAC/LTV/ペイバックピリオド)、Churn Rate(解約率)の計画値が必須です。

  • 小売: 立地・商圏人口・在庫回転率・坪効率が主要指標になります。

  • 飲食: 客単価×回転率による月商シミュレーション、FL比率(Food&Labor)の目標値を明示します。

業種テンプレートをそのまま使うのではなく、自社の強み(コア・コンピタンス)を業種の”型”に織り込むことが、差別化された計画書への第一歩です。


数値計画の作り方(売上・利益・資金繰り)

事業計画書の中で、最も”書けない”と相談が多いのが数値計画です。次の3ステップで組み立てると、整合性のある数値に仕上がります。

ステップ1:売上計画は3つのアプローチで”クロスチェック”する

  • トップダウン法: 市場規模 × 想定シェアから逆算する方法。

  • ボトムアップ法: 顧客単価 × 想定顧客数から積み上げる方法。

  • 類推法: 類似事業の実績から当てはめる方法。

この3つの数字が大きくズレる場合、前提条件のどこかが歪んでいるサインです。ONE SWORDの現場経験では、3つのアプローチの差異を1.3倍以内に収めることを目安としており、これを超える場合は前提の再点検をおすすめしています。

ステップ2:損益計画は”損益分岐点”から逆算する

固定費と変動費に分解し、損益分岐点売上高を算出します。「目標利益を出すには、固定費÷(1−変動費率)以上の売上が必要」というシンプルな式に落として、売上計画と突き合わせてください。

ステップ3:資金繰り表は”入金サイト・出金サイト”の時間差で組む

売上計上と現金入金は必ずズレます。請求書発行から入金までの平均日数(入金サイト)、仕入・人件費の支払日数(出金サイト)を踏まえた運転資金の算出が、資金ショート防止の要です。

現場知として補足すると、数値を先に埋めるのではなく、ビジネスモデルの1行(項目8)を固めてから数値に降ろしたほうが、計画全体の精度は圧倒的に上がります。


事業計画書の”穴埋め”で陥りがちな3つの罠

ここからは、テンプレートを使って計画書を作る際に、ONE SWORDが300社以上の支援現場で繰り返し目撃してきた3つの罠をお伝えします。一般論に対する独自の見解として整理しました。

罠1:テンプレートを”端から順番”に埋めてしまう

  • 一般論: 「テンプレートの項目を上から順に埋めれば計画書は完成する。」

  • ONE SWORDの見解: 項目1(事業概要)から順に書くと、ビジネスモデルが固まらないまま数値計画に進み、全体の整合性が崩れます。まず項目4(提供価値)と項目8(ビジネスモデル)を先に確定させ、その後に他の項目を埋めていくのが正解です。

罠2:定量データを”たくさん盛り込もう”としてしまう

  • 一般論: 「数字やデータは多ければ多いほど計画書の説得力が増す。」

  • ONE SWORDの見解: 数字の”量”より”1つ1つの数字の根拠”の明快さが、融資担当者・投資家に刺さります。ONE SWORDの現場経験では、数値の多さで勝負するより、中核となる数値を絞って根拠を明示した計画書のほうが審査で評価されやすい傾向があります。

罠3:業種別テンプレートを”そのまま”使ってしまう

  • 一般論: 「業種別テンプレートを使えば業種特性は押さえられる。」

  • ONE SWORDの見解: 業種テンプレは”型”であって”答え”ではありません。**自社独自の強みを織り込まないと、審査側からは”どこにでもある計画”**に見えてしまいます。ONE SWORDの現場経験では、業種テンプレの項目をベースにしつつ、自社固有の一次情報や独自データを一定割合で重ね合わせることを推奨しています。


用途別テンプレートの選び方

事業計画書テンプレートは、用途と形式の2軸で選ぶと失敗しません。

用途別のマッチング

  • 融資目的(日本政策金融公庫など): 公的機関が配布する公式フォーマット(J-Net21・日本政策金融公庫の創業計画書)が最適。審査項目との一致度が高い。

  • 補助金申請(事業再構築補助金など): 補助金ごとの公式様式が必須。民間テンプレートは参考資料扱い。

  • 社内稟議: 経営陣が読みやすいWordまたはPowerPoint形式。5〜7ページに要約。

  • 投資家向けピッチ: PowerPoint(PPTX)で視覚訴求重視。ONE SWORDの現場経験では15〜20ページ構成が読み手に伝わりやすい傾向があります。

形式別のメリット

  • Word: 文章量が多い計画書に向く。編集・共有が容易。

  • Excel: 数値計画(売上計画・資金繰り)を連動させやすい。

  • PowerPoint(PPTX): 図解・グラフを盛り込むピッチに最適。

“DLして安心しない”ための5項目チェックリスト

  • [ ] テンプレートの項目が、想定している用途(融資/補助金/稟議)の審査項目と一致しているか

  • [ ] 業種特性が織り込まれているか(または自分で織り込む余地があるか)

  • [ ] 数値計画の計算式がExcelで連動しているか

  • [ ] 図解・グラフを挿入できる余白があるか

  • [ ] 最終的にPDF化したときに読みやすいデザインか


補助金・融資申請での事業計画書の書き分け

事業計画書テンプレートは万能ではなく、提出先によって重点項目が変わります。

  • 事業再構築補助金/中小企業新事業進出補助金: 既存事業と新規事業の関係性、売上構成比の変化、付加価値額の算出根拠が重点。

  • 小規模事業者持続化補助金: 販路開拓の具体策、効果測定の指標設定が重点。

  • 創業融資(日本政策金融公庫): 創業者の経歴・自己資金・返済計画の現実性が重点。

審査側は共通して①実現可能性 ②市場性 ③回収可能性の3観点を見ています。数字を盛るのではなく、「この前提条件が成立すれば、この数字になる」という論理の透明性を意識して書いてください。


事業計画書テンプレートを”穴埋め”で完成させる4ステップ

ONE SWORDが300社以上の支援で標準化した、計画書完成までの推奨ワークフローです。

  1. STEP1:事業アイデアを1行で言語化する(Value Proposition)

「誰の」「どんな課題を」「どう解決するか」を1文で表現します。ここが曖昧だと、以降のすべての項目がブレます。

  1. STEP2:ビジネスモデルをキャンバス化する(BMC/リーンキャンバス)

9つのブロックでビジネスの全体像を1枚に可視化。項目8(ビジネスモデル)の下書きになります。

  1. STEP3:市場・競合データで裏付ける(3C・TAM/SAM/SOM)

仮説だった数字に客観的な根拠を入れ、項目6・7を固めます。

  1. STEP4:テンプレートの12項目に落とし込む

ここで初めてテンプレートに手を付けます。STEP1〜3が埋まっていれば、穴埋めの迷いは大幅に減ります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 事業計画書は何ページが適切ですか?

用途によって異なります。融資・補助金申請では10〜15ページが標準(事業再構築補助金では1,500万円以下で10ページ、それ以上で最大15ページと公募要領で明記されています)、社内稟議では5〜7ページ、投資家向けピッチではONE SWORDの現場経験では15〜20ページが読み手に伝わりやすい構成です。ページ数より「必須12項目が過不足なく書かれているか」が審査上重要です。

Q2. 事業計画書のテンプレートは無料と有料どちらを選ぶべき?

初稿作成までなら無料テンプレートで十分です。日本政策金融公庫・J-Net21・bizocean・freee等が配布する無料テンプレートで、必須12項目は網羅できます。有料版は業種特化や図解デザインの完成度を求める段階で検討すれば良いでしょう。

Q3. Word・Excel・PowerPointのどの形式が事業計画書に向いていますか?

文章主体ならWord、数値計画を連動させたいならExcel、投資家向けピッチならPowerPointが適しています。複数形式を組み合わせて、本体はWord、数値計画はExcel別添、ピッチ用にPPTX版を作る、という運用も現場では一般的です。

Q4. 新規事業と創業時の事業計画書は同じテンプレートでよいですか?

基本構造は共通ですが、**創業時は「創業者の経歴・自己資金」、新規事業は「既存事業とのシナジー・撤退基準」**が追加で重視されます。テンプレートは汎用版をベースに、用途に応じて項目を増減させる使い方が効率的です。

Q5. 事業計画書を一人で作る場合、どれくらい時間がかかりますか?

一般的には数十時間が目安とされています。ONE SWORDの現場経験では、ビジネスモデルが固まった状態から作る場合でも実働で数十時間、未確定のまま着手すると大幅に増えるケースが多い印象です。事前にリーンキャンバスなどで1枚にまとめておくと、計画書作成の工数は大きく短縮できます。

Q6. 事業計画書のテンプレートをそのまま使うのと自作ではどちらがよいですか?

ONE SWORDの現場経験では、初稿はテンプレート利用、最終稿で自社独自の情報や強みを一定割合で織り込むやり方が最も効率的です。ゼロから自作すると項目の抜け漏れリスクが高く、逆にテンプレートをそのまま使うと差別化されない計画書になります。


テンプレートで”枠”は作れる。中身を迷わず埋める仕組みが必要です

ここまで読んでいただいた方はお気づきかもしれませんが、事業計画書テンプレートは「書くべき項目」を教えてくれても、「各項目に何を書くか」までは教えてくれません。そして実際に手が止まるのは、テンプレートの空欄を前にしたその瞬間です。

ONE SWORDでは、新規事業立ち上げキットとして、穴埋め式の動画教材(4ステップ)と、事業計画書の中身を埋めるための実戦テンプレート5種セット、さらに専門家によるフィードバックまでを一体で提供しています。「テンプレートはDLできた、でも中身が書けない」という段階を最短で突破できるよう設計しました。300社以上の新規事業支援で磨き上げたノウハウを、ご自身のペースで実装していただけます。

詳しい内容やサポート範囲は、販売ページをご確認ください。

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まとめ

本記事の要点を整理します。

  • 事業計画書テンプレートは12の必須項目(事業概要〜数値計画)を網羅したフォーマットが基本です。

  • 記入時は項目1から順にではなく、項目4(提供価値)と項目8(ビジネスモデル)を先に確定させる順序が有効です。

  • 業種別・用途別のテンプレートを”そのまま”使うのではなく、自社独自の強みを織り込むことで差別化できます。

  • 数値計画は3つのアプローチ(トップダウン/ボトムアップ/類推法)でクロスチェックし、差異が大きいときは前提を再点検してください。

  • テンプレート獲得→項目理解→穴埋め→専門家レビューの順序が、迷わない計画書作成の近道です。

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